予防は病気を防ぐための第一歩
虫歯を削って治療をしても、元通りの健康な歯に戻るわけではありません。
一度虫歯や歯周病になった歯は病気の再発リスクが高まります。治療したからといってそのまま放置していれば、再発してさらにさらに歯を削ることになってしまうかもしれません。
悪くなった歯を削って治すだけでは、歯はどんどん弱っていきます。
お口の健康を保つためには、まず病気にならないための予防がもっとも大切なのです。
「8020」を目指して
「8020」とは「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」ということを目標としています。しかし、80歳の平均残存本数は10本にも満たないのが実情です。
削った歯は二度と元には戻りません。
抜けてしまった歯は新しく生えてくることはありません。
そのため、「削らないよう、抜けてしまわないよう」予防することが大切です。
予防のための導入機器
フッ素イオン導入装置「パイオキュア」
フッ素には、虫歯菌の動きを抑えて歯を守ってくれる効果があります。
当院では、イオン導入法によるフッ素塗布を行っています。
専用機器「パイオキュア」を使ってフッ素をイオン化することにより、通常のフッ素塗布よりも効率良く歯にフッ素を吸収させることができます。
専用の薬液を浸したトレーを口にくわえ、電極を握っていただくことでフッ素イオンの導入が行えます(約3分)。
唾液検査(サリバテスト)
虫歯菌から歯を守る力がある唾液の「作られる量」や「緩衝能(中和力)」、「虫歯菌の数」に対しテストを行います。
虫歯ができるリスクの高さがわかるため、一人ひとりに合った予防法を提案できます。
虫歯診断器
虫歯の箇所を診断する機器です。
レントゲンや見た目による検査ではなく、客観的な数字で虫歯の度合いを診断することができます。
早い段階で虫歯を発見できれば予防処置だけで済むため、歯を守るのに役立ちます。
口腔水分計
お口の粘膜に含まれる水分量を測定する機器です。
お口の水分量が少ないと、口臭や食べ物が飲み込みにくい原因になるほか、虫歯や歯周病になるリスクも高まります。正確に検査することで早期発見と予防に繋がります。
メインテナンス
PMTC
歯科医院で専門的に行うお口のケアプログラムです。
通常のブラッシングでは磨きにくい場所や歯周ポケット内を専門の器具とフッ化物入りペーストを用いて清掃しします。
歯石を取るような治療ではなくあくまで心地よい範囲の刺激で行なわれます。
スケーリング
スケーリングとは専用器具や超音波スケーラーなどを使用して歯肉や歯周ポケットから歯垢や歯石などを除去する方法です。
歯石は一度取ってもしばらくすると再形成されるため、定期的にスケーリングを行う必要があります。
クリーニング
茶渋やコーヒーなどの着色汚れ、たばこのヤニなどは歯磨きだけではなかなか落ちません。
クリーニングは専門の器具を使って歯の表面に付着した汚れを落とします。
再石灰化法
酸により歯が溶かされしまうことを「脱灰」、唾液の浄化作用により酸を中和し、溶けた歯を元に戻すことを「再石灰化」と言います。
口の中では「脱灰」と「再石灰化」が繰り返し起こっていますが「再石灰化」の作用が弱くなったときに虫歯ができてしまいます。
反対に、フッ素塗布などで再石灰化を促進することによりごく初期の虫歯は削らずに治療することが可能です。